はじめに
私は普段はTVアニメなど、集団芸術の一スタッフ(背景美術)として仕事をしています
みんなで積み重ねて生み出すクオリティには確かに実感がありますが
時々「誰かに求められる正解だけじゃなく、自分なりのアニメを作ってみたい!」という気持ちが湧いてきます
ただ、規模を小さくして人と組んでみても、どうも共作がうまくいかず…。
いつの間にか人がいなくなったり、連絡が途絶えたりして、空中分解してしまうこともしばしば。
「じゃあ、一人でもアニメを作れる方法はないか?」と考え、試してみたのが3Dでした

背景を3Dで作り、キャラは平面で口パクをつけて、会話劇として成立するアニメを作ろうと思っていたのですが――
背景を3Dで作っているうちに、ふと「キャラクターも3Dで作れるのでは?」と
リアルタイムでリアルに動くものではなく、デフォルメして可愛く、お人形さんのような質感にすれば…?と考え、キャラの顔の作り方チュートリアルを始めたのが 2024年5月16日…

気づけば、もう1年3ヶ月も続いていました。
そうして完成した動画はこちら
もちろん「もっと良くできるのに」と思う部分もありますが
最初に別ソフトで作っていた頃は、背景もガイドに使う程度で本番には到底使えないものだったので
それがキャラクターまで作れるようになったことで、作品全体の幅がぐっと広がったと感じています。
制作を続ける中で、他にもたくさんの発見や学びがあり、思いがけないご縁にもつながりました
この記事では、その過程で知ったことと、今後のやりたいことをまとめていきます
制作の技術面での発見
初めて本格的にキャラクターモデリングに挑戦
どうせ作るなら…と思い、カッコいい推しで練習させてもらうことに
何となく始めたはずが、気づけば夢中になっていた
もともとのデザインがかっこよく、やっぱり楽しい
元のデザインの魅力がしっかりしているので、多少調整しても全体の印象が崩れず、造形の流れをつかみやすかった
作っていて「楽しい!」と思える瞬間が多かった
好きな音楽に合わせて動かすと、作業がぐっと楽しくなる
大変な工程も、音楽とリンクすることでテンポよく進み、完成したときの達成感がより大きくなると実感した
そして途中で「これ、1分の動画にできるのでは?」と欲が出てきた


精神面・習慣の発見
公開前は極度の緊張を感じた
投稿直前は心臓が飛び出しそうで、数日間は食欲も落ちるほど
「本当に出していいのか?」と不安でいっぱいになることも多かった
「やり切った感覚」が大きな支えになった
それでも公開までたどり着いた瞬間の達成感は強烈で、
「ここまでできた!」という感覚が次の挑戦への力になった
背景を褒めてもらえたのが意外で驚いた(でもむちゃくちゃ嬉しかった)
キャラクターが注目されるのが当たり前の世界で、まさか背景にまでコメントをもらえるとは思っていなかった
他にもこだわりを見てくれているんだと実感できるコメントをいただけて本当に嬉しかった
背景美術の本業で、視聴者から背景を褒められることなんてほとんどないので、余計に心に残った



YouTubeの登録者10人でも仕事が来た
世の中にはいろんな収益化ノウハウがあるけれど
チャンネル登録者はわずか10人。ごく少数ですが、ダイレクト検索で推しを調べた方に作品を見つけていただき
それが推しのMVに関わること繋がったので、世の中何が起こるかわからないし、正直「なんか面白いな」と思いました。
自分が好きなものをまっすぐ作っちゃえ
よく「数字がすべて」と言われるけれど、再生回数や登録者数を意識して誰かの正解を作っても、それは普段のお仕事と変わらないし
「自分が好きだ!」と思えるものをまっすぐ作って、それが誰かの目に留まり、お仕事に結びついたのなら、そのままでいいということだし
その方がずっと楽だし健全だと思う
10人が登録してくれているという事実
自分が好きで勝手に作っているものに登録してくれている10人がいる
それだけで十分にすごいことだし、ありがたいこと
今後のやりたいこと
背景が苦手な人向けに3Dの活用法を共有したい
普段の2Dアニメの背景を描く仕事をしていて思うことは、 3Dはそのままだと、フォトリアルな完成度を目指すことが多く、アセットそのままだと使いにくい場合も多い
たとえば、キャラだけ描きたい人が写真を利用して背景にしようとしたら、キャラとなじまないで手こずるようなもので
2Dの絵ではあえてディテールをスッキリさせたり、やわらかい表現にしてキャラと馴染ませる工夫をしたりする
こうした工夫を、作業の流れごとに整理して記事にできたらいいなと、ふんわり思っています
オリジナルアニメも作りたいし、ファンアートも描きたい
おかげさまで、3分くらいのオリジナルアニメを作れそうなノウハウもイメージできてきたので、制作に入ろうかなというのと
もう少し絵柄を探りたいのでファンアートも描きたい…というのが本音です
ファンアートに関してはこの先何するか何にも考えてなかったけど、推しがキャッキャって楽しそうに生み出すもののクオリティが高すぎて、これからも目が離せそうにないので…仕方ないです(笑)
まとめ
この9ヶ月の制作を振り返って一番大きかったのは、やっぱり推しや好きな音楽のおかげで続けてこられたということです。
直接やり取りができるわけではないけれど、「背中を押してもらっている」と勝手に受け取ることで前に進める関係って、とてもありがたいものだと思います!
このブログも、推しのMVに関わることができて得られた報酬でサーバー代をまかなっています(10年大丈夫!)
いわば推しに背中を押してもらったお金で運営しているようなもので、応援されている気持ちになるので、これからも前向きに続けていこうと思います!
おまけ(誕生日まで時間があったので、それまでにできた90秒+αの動画)
喫茶店のモデルはあるとして、キャラモデル4体+外観のクリスマス装飾から作り1ヶ月半でできたので、これまた自信に♪
