初めてのVtuberライブで感じた、“距離”の不思議

🌸 ライブと距離の話

もともと音楽ライブは私にとって「誘われたら行く〜」「行ったら、楽しい!」くらいの存在でした。
しかし、あるとき声優さんのライブにハマって、そこから一気に沼に…

東京の大きなステージの迫力も好きでしたが
地方のライブハウスで感じる“近さ”の魔力は格別でした
バンドの皆さんも舞台の上で一緒に盛り上がり、ステージと客席の境界をほとんど感じない一体感
声も表情も、すぐそこにある。
その距離感が好きで、いつの間にか“地方遠征大好き”になっていました

しかし、コロナで公演が中止になってしまい
それをきっかけに、しばらくライブから離れていました。


🌟 新しい出会い

声優さんが新しい試みの一環として活動をしているVtuber、というのは見ていましたが
企業Vさんたちの世界はあまり詳しくなくて、どんな活動をしているのかも、正直よく知りませんでした。

「推し活は現実逃避」とか「お金と承認の欲望の場」みたいな世間でディスられる時のイメージの先入観もあり、わりと遠巻きで見ていました

そんなある日、なんとなく見ていたスイカゲームの配信がきっかけで
Vtuberさんたちの活動を少しずつ知り始めました。
軽い気持ちでいろんな動画を見て回っていた中で、
渡会雲雀さんの3Dライブのアーカイブを再生しました。

ほんとになんとなく、でした。
けれどそのステージを見た瞬間、
「え、こんなにワクワクするんだ?」と心が一気に動きました。

ヴァーチャルの空間の中で、
音や光がリアルのライブのように息づいていて、
その表現の力に完全に魅了されてしまいました。

「あ、ライブってやっぱりいいな」

久しぶりに、あの頃感じていた“熱”が戻ってきた気がしました。
誰か個人というより、“ステージ”そのものに引き込まれた瞬間でした。


🎸 行こうと思ったきっかけ

その3Dライブには不破湊さんがギターでゲスト出演していて、
ステージのあと、ふたりが「バンド好きなんやー今度またどっかでー」みたいに
ゆるく話しているシーンがありました。
その雰囲気がすごく楽しそうで、
「この人たちが本当に何か始めたら面白そうだな」と思ったのを覚えています。

その後、
本当に“バンドを組む”という動画シリーズを発見して
活動の始まりから追っていたわけではありませんでしたが、
動画を見ていくうちに、
メンバー同士のやりとりや、音楽を楽しむ空気感にどんどん惹かれていきました。

そして「にじフェス」での観客ありの初舞台。
そのステージを配信で見ていて「やっぱりかっこいいな」と思いました。
“配信の中の存在”だった人たちが、
同じ空間で音を鳴らしている——
そのリアルさに胸が高鳴りました。

そこから、バンドのソロライブ公演が発表されました。
最初は「Vtuberさんのリアルライブなんて絶対チケット取れないだろうな」と思っていましたが、
今回は“リライブ公演”という形もあり
生のリアルタイムではないけれど、同じ音響で再現されると知りました。

「ライブハウスの距離感で聴けるの?」


行けるなら行ってみたい。
若い人ばかりかもしれない、浮くかもしれない——
まー当たってから考えようと思い、チケットを申し込んでいました。

当たった瞬間、まじかまじでライブ行けるんだととても嬉しかったです
初めてのVtuberライブ。
少し怖いけど、どんな世界が待っているんだろう。
そんなふうに、胸の奥が少しずつ熱を帯びていきました。


🌈 当日を待ちながら

ライブの日が近づくにつれて、
「どんなステージになるんだろう」「どんな映像なんだろう」って
想像していました。

Vtuberさんのリライブ公演という新しい形。
最新技術でどんな空間を見せてくれるんだろう
どんな表現になるんだろう。
そうやってワクワクしながら当日を待っていました

ライブ後も余韻に浸りたいと思って、カプセルホテルを予約しました
ひとつずつ整えていく時間さえ楽しかったです。


🎥 思わぬ始まり

そしてある日、まったくの偶然から
行く予定だったそのリライブ公演の映像制作に
初めて3Dのお仕事として関わらせていただくことになりました💦

お話をいただいた時「え、あのライブの……? 私が?」
驚きと嬉しさがいっぺんに押し寄せて、
心の中で思わずツッコミを入れました。

「えっ、楽しみにしてたのに、私も関わるんかーい!」

笑っちゃうくらい予想外で、正直めちゃくちゃ怖かったです
心の奥で誰かが静かに問いかけました。

ここで“やれます!”って言えないくらいの努力しかしてこなかったの?

その言葉に、胸の奥がカッと熱くなりました。
そんなことは絶対ありません。

できるかはわからない。けれど、逃げたくありませんでした
3Dは初めてでしたが、キャラクターもやらせていただけるんなら——やってみたいと思いました
普段から映像の“背景”を支える仕事で積み重ねてきた時間は嘘じゃないし
そう信じたら、もう引き下がれませんでした

「ええい、やったろ!」

副業の時間だけではどうしても納得のいく形にできないと思い
思い切って会社を4日間お休みしました
会社の人には「推しごとのお仕事があって」と正直に話をして
「なんだかよくわからないけど楽しそうだね」と笑ってもらい
意味は伝わってなかったかもしれないけれど、応援していただけて、とても心強かったです


※本記事の内容は、あくまで個人の体験として記しています。
制作に関わる具体的な工程・関係者については記載を控えています。


🎤ライブ当日

実際のライブ会場で、空気がブルブル震えて伝わってくる声は、イヤホンごしの声よりさらにまろやかで、本当にいるんだ感が半端なかったです!

バンド演奏の一体感!やっぱりめちゃくちゃ楽しかったです!

私も映像の一部で小さなキャラクター制作を担当させていただきました

最初は純粋にファンとして楽しむつもりでしたが
気づけば“観る側”から“作る側”へ
ステージのサビのシーンで
自分の作ったちびキャラが一緒に歌っているのを見た瞬間
胸の奥がじんわりと熱くなりました

「このバーチャル空間の中に、少しだけ自分の手が届いたんだ」

そう思ったら、涙が…。

ほんとに最新の技術の映像とかそれどころじゃない新体験ができました♪


💭 Vtuber文化の「距離の近さ」に感じたこと

Vtuberさんって、声優さんやアーティストさんよりも“距離が近い”存在だと思います
ファンアートを見てくれたり、コメントに反応してくれたり
そういう文化があるからこそ、
ファンがクリエイターとして関わるチャンスも生まれるのだと思います

今回の出来事も、まさにその延長線上にありました。
“ファン”としての自分と、“作り手”としての自分が、
ほんの一瞬だけ交わった——そんな不思議でうれしい瞬間でした

映像が終わったあとも、しばらく拍手の音が耳に残っていました、 そして、ふと、これまで感じてきた“距離”について考えました


💭 モヤモヤの先で気づいた“届く距離”

実はこの文化の“距離の近さ”に、過去にモヤモヤしたこともあったんです
(もちろん、この推しではないのですよ)
メンヘラ的なことを言ってる人の方がコメントを大切にしてもらえたり
描いたファンアートに対して「描いてもらえるだけでありがたいです」なんてプレッシャーをかけて言わせているのかな?なんて感じたり

せっせと作った切り抜き動画に対して、再生数が伸びてないから”失敗”扱いされたり

誰が悪いと言うわけではなく、距離が近いがゆえに生まれるモヤモヤです

でも今回のリライブ公演で感じたのは
自分のできる範囲で、ただマイペースで楽しめばいいのかな 

なんて思いました、だって面白いこと起こるんだもん

あの空間で、私の作ったキャラクターが少しでも彩りを添えられたなら——こんなに幸せなことはないです

おわりに

今回は名前がクレジットされているわけではないので
あくまで“ひとりの観客”として、そっと書かせていただきました
(守秘義務があるわけではなく、関わっている方が多いことや
今後の公開の形がまだ確定していないためです)

今後、正式な公開などがあれば、改めて追記させていただくかもしれません